船員法の気になる条文

船員法の15条が知らない人にとってはけっこう鮮烈。

第十五条
船長は、船舶の航行中船内にある者が死亡したときは、国土交通省令の定めるところにより、これを水葬に付することができる。

国土交通省令の定めるところにより、が重要で、伊豆諸島に行く船の中で乗客が亡くなったので、水葬にした、ということはあり得ない。

この定めるところというのは、条件があってすべて満たさないと水葬にはできない。

①船舶が公海にあること。
②死亡後二十四時間を経過したこと。ただし、伝染病によつて死亡したときは、この限りでない。
衛生上死体を船内に保存することができないこと。ただし、船舶が死体を載せて入港することを禁止された港に入港しようとするときその他正当の事由があるときは、この限りでない。
④医師の乗り組む船舶にあつては、医師が死亡診断書を作成したこと。
⑤伝染病によつて死亡したときは、十分な消毒を行つたこと。

船員法施行規則にはさらに細かく決められている。

第五条 船長は、死体を水葬に付するときは、死体が浮き上らないような適当な処置を講じ、且つ、なるべく遺族のために本人の写真を撮影した上、遺髪その他遺品となるものを保管し、相当の儀礼を行わなければならない。

罰則もある。

船員法 第百二十六条
船長が次の各号のいずれかに該当する場合には、三十万円以下の罰金に処する。
4第十五条の規定に基づく国土交通省令に違反して水葬に付したとき。

船舶や海事には独特の法律があって、興味深い。
少なくとも、去年の今ごろ勉強していた行政法よりずっとおもしろい。