田町から新橋へ

田町の所用を済ませ、このまま帰るのもつまらない。
そう、ここは生まれ故郷の港区なわけだし(しょっちゅう来ているけれど)
なんとなく第一京浜を歩き出す。縁もゆかりもない慶應大学を見ながら、東京タワーを正面に見据えて歩く。
外国人観光客が多くなってくると、東京タワーが真横に来る。
父とキャッチボールもどき(バットとグローブだから)をした御成門公園、生まれた頃からある歩道橋を渡り、愛宕山ヒルズの中に入ったような青松寺は昔、幼稚園があったっけ。
愛宕山トンネル
このトンネルの向こうに住んでいた。子どもの頃は大きくて長いトンネルだった。
交差点には松栄寿司と丸美屋というおそば屋さんがあり、子どもの頃どちらもよく食べた。
果物屋もあったし、小さな商店もたくさんあったが、今はかろうじて酒屋さんが残っているだけ。
東急イン(いまは東急REIホテル)は小学生の頃に建てられた。角には小鳥屋さんがあり、近くのお寺の庭であげる白い紙袋に入ったハトのえさ(とうもろこし)を売っていた。
この先にはおいしい中華料理店と、あの頃は珍しかったほかほか弁当屋があった。
さんざん立ち読みした本屋が入っていた森ビル17は虎ノ門ヒルズ森タワーに生まれ変わり、なんの面影もない。
近くには永谷園の本社があり、愛宕山にも社長の名前が入ったものがたくさん奉納されている。
西新橋のあたりは子どもの頃からビルばかりだったので変わっていない気もするが、よく見ると高い新しいビルに変わっているようだ。
振り返ると正面に霞が関ビル、高度成長期の映画を見ると必ず出てくるシーンだ。
ここからはまっすぐ見通せる新橋に向かって歩くだけ。
あの頃毎日会っていた祖父はとっくに亡くなっているし、知っている人はもう誰も住んでいないのは都会に生まれた残念なこと。