沖縄の女の子

とある居酒屋で働いていたバイトの女の子。
目がパッチリとしてオリエンタルな感じ。
他のテーブルでおっさんが出身地を聞いている。
「沖縄県です」
これは同郷として(いつからだ)声をかけなくてはいけない。
「おねえさんは沖縄のどこ?」
「沖縄市です」(うわ、とっさにわからない)
「学生なの?」
「いいえ、違います」
「じゃあ何か夢があるの?」
「保育士になりたいんです」
「沖縄には帰りたくならない?」
「はじめは帰りたかったけど、もう慣れました」
居酒屋でねーちゃんに声をかけてる典型的な酔っぱらいおやじじゃないか。
本当に保育士になれたらいいね。
どんないきさつで東京に来たのかわからないけど、がんばってるんだ。
故郷は遠きにありて思うもの、沖縄遠いなあ。
夢が破れたおっちゃんとしては、ぜひ夢を叶えてもらいたい。
夢が叶うようにがんばれ。
「がんばってね」
他の酔っぱらいも言うであろう、ありきたりの言葉をかけてしまった。
でも本当にそう思ったよ。
おっちゃんもがんばるよ。
明日から。

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