ここ数年、階段を駆け下りられなくなった。
足がからまるというか、次に足をおろすのがどの段か一瞬わからなくなり、つまずきそうになる。
駆け上がることはできるが、下りることができない。
階段から落ちて痛い思いをしたわけでもなく、トラウマになる経験もしていない。
同じ症状で困っている人は結構いるらしく、ネット検索でたくさん出てきた。
機能的な問題ではなく、やはり精神というか心理学的な問題らしい。
頭の認識と肉体が一致しないということもあるかもしれない。
急な階段も途中で後ろに引っ張られるというか、不安になって昇れなくなってしまった。
これは日常生活ではあまりないので特に困ってはいない。
一種のパニック障害みたいなものを秘めているのかもしれない。
駅の階段は不思議なくらいみんな駆け下りる。
特に急いでもいなそう。その証拠に、階段が終わるとふつうに歩いている。
歩くのは人より早いので、駆け下りた人を追い越すことになる。
ゲシュタルト崩壊というのは心理学でいう、認識が崩壊するようなことらしい。
「化」という漢字をずっと見つめていると、記号に見えてきておかしな感覚に陥ることがある。
また、一度「イヒ」に見え出すともう「いひ」としか読めなくなってしまうのもその現象だ。
階段が下りられなくなるのも、これらが関連している可能性があるみたいだ。
肉体的な衰えもありそうだが、どうしたものか。
病院に行くようなことでもなさそうだし。
いろんなことが衰えていく一方で、がっかり。