わざとではないかと思われるほど日本酒の分類はわかりにくい。
ポイントを抑えておけばそれほど難しくない。
ポイントは二点
純米酒か純米でないか。
吟醸酒かそうではないか。
日本酒を作るにはかなり高度な技術が要求される。
なにしろ米からあんな透明でワインにも匹敵するような醸造酒ができるのだから。
醸造酒とは、原材料と麹で発酵させただけのお酒。
蒸留酒は沸点の差を利用して蒸溜して取り出したお酒。
蒸溜するということは、混ざり気がなくなる代わりに、うまみも減ってしまう。
米と麹だけで発酵させたお酒はどうしても甘くなってしまう。
それを醸造用アルコール(無味無臭)を加えて辛くする。
それが一般的なお酒。
つまり、醸造用アルコールを加えていないのが純米酒。
理想的には加えていない方がおいしいが、必ずしもそうとも言えない。
米を一定以上磨いて、おいしいところだけで作ったお酒が、吟醸酒。
さらに50%近く磨いてしまった残りで作ったお酒が、大吟醸。
つまり、これら言葉の組み合わせ。
純米酒(あまり磨いてない米だけから)
吟醸酒(磨いた米に醸造用アルコールを加えて辛くした)
純米吟醸(磨いた米だけから)
純米大吟醸(思いきり磨いた米だけから)
本醸造、上撰などはあまり意味がなく、味もさほど変わらない。
米を磨いてしまうのだから、吟醸酒は絶対的にコストがかかる。
同じ銘柄の普通酒(本醸造など)が一升瓶で2000円でも、純米吟醸になると5000円を突破する。
純米大吟醸になると1万円を超えるものも珍しくない。
居酒屋で日本酒を注文するとき、銘柄はもちろん大切、しかしそれ以上にこれら区分の方が味に大きな差をつける。
無名(たいしたことないかも)の純米酒と有名なお酒の本醸造だと大差がないことがある。
しかし、無名の純米吟醸と久保田百寿(有名だけど一番下の普通酒)となるとほぼ久保田は味では勝てない。
今までの経験では、純米か否かよりも、吟醸酒か否かの方が味に大きな影響を与えている。
純米はただ米だけで作ればいいから、基本的にはどこでも作れるお酒でそれほどの技術はないから。
有名どころの八海山、浦霞などは本醸造はそれほどでもないが、純米吟醸になるとかなりおいしい。
有名銘柄の純米吟醸がおいしく感じなかったら、日本酒を飲まない方がいいと思う。
ちなみにぼくは鬼ころしだろうがワンカップ大関だろうがなんでも飲める。
ただし、これらの場合はおいしいと思って飲んでいない。
そう、現実逃避。飲んだら無敵。