節電がパフォーマンスであってはならない

節電すればできるじゃないか、そんなムードを感じる。
どこも照明を落としてなんとなく薄暗い。
電車の車内も蛍光灯を抜いて少し暗くなっている。
昔の国電(E電の前)はもう少し暗かったのを思い出した。
これくらい暗くてもよいのかも、みんなそんな風に感じていると思う。
 
車内の天井の蛍光灯は、40Wがざっと20本あった。
互い違いに抜いてあるが、6?8本抜いてあるのだろうか。
ふだんの照明はざっと800Wで、3割減らしたところで560W。
240W×10両編成=2400W節約できた。
 
ところが、大きな問題は冷房にある。
通勤電車の冷房は、4万Kcalくらいの能力のものを積んでいる。
6畳用として売っている家庭用エアコンが2200Kcalくらい。
つまり、電車一両に家庭用エアコン18台分くらいのものを積んでいるのだ。
家庭用エアコンの消費電力はおよそ1000W。
電車の冷房の消費電力はおよそ18000W。
10両編成で18万Wととすると、照明を落として2400Wなのでまさに焼け石に水。
 
照明を落とそうが、LED電球に変えようが、冷暖房をつけた時点でその50倍以上の電力が消費される。
蛍光灯はつけて消すことで寿命が20分縮まる。
30分くらいなら消さない方が省エネなのだ。
蛍光灯をつくるのにも、電池をつくるのにも多量の電力が使われているのも忘れてはいけない。
 
この夏エアコンをつけるのなら、いまの50倍くらいの節電をしなければならないのだ。
少なくとも、スーツを着てエアコンをつける会社から何とかしてもらいたい。
Tシャツと短パンでもいいではないか。
この先もっと深刻なエネルギー危機がやってくるのは目に見えている。
いま何がどのくらい深刻な問題なのか、よく考えて行動しなければ。

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