平成3年に発生した、台風19号。
死者62名、保険支払額は史上最高の5600億円に上った。
この台風は風台風といわれ、各地の被害は風によるものが多かった。
当時大学生という身分で広島にいたが、学校にはほとんど行かずバイトばかりしていた。
フリーターとはいえ、定職に就いた人生で唯一の期間かもしれない。
公務員と大検の専門学校で教えたり、ビジネスホテルのフロントでバイトをしたり。
色々な人が見ているので詳しく書けないが、仕事が終わり自宅ではなく別なところに帰った。
19時頃には風が強まり、停電した。
テレビで心霊ものを見ていたので、恐怖は増した。
強風のまま夜が明けて学校に向かうと、ブロック塀は崩れているし、信号機は曲がっているし。
高潮による塩害で停電になった。
ガイシ(電線などで絶縁するせともののやつ)が塩で役目を果たさなくなったので停電させた。
その交換などで、自宅はなんと丸一週間も停電した(うちには帰らなかったが)
信号機も場所によっては同じ期間くらい滅灯していた。
デパートはおろか、仏具店のろうそくもすべて売り切れた。
そのときちょうどパーマをかけていたが、ドライヤーが使えず、クリクリのまま仕事に行った。
レンタルビデオが取り出せなくなり、会社まで車でデッキごと持ってきた人もいた。
市内の中心部は3時間くらいの停電、少し離れたところ(海沿い)は一週間と大差があった。
あの長期間の停電は中国電力にとっては、まさに想定外。
災害とは人間の予想を遙かに超える力が降りかかったときに起きるもの。
たかが台風と思わずに、慎重に行動した方がいい。
パチンコ狂(正確にはスロット)だったが、その日もパチンコ屋にたくさんの人がいたらしい。
バスや電車が止まったせいもあるが、その後停電になり騒然となったそうだ。
フィーバーだの、あと何回大当たりが来る状態で停電になったらすべてパーになる。
後日どこのパチンコ屋にも「停電時の補償はいたしません」というような内容の張り紙がされた。