新聞各紙の社説とコラムが一度に読めるアンドロイドソフトがある。
国語に関する世論調査の結果が出て、それについて数社の編集者が感想を述べていた。
何十年も文章を書いてきた人でも、間違いに気づくことがあるらしい。
多くの人が誤用している言葉に憮然がある。
憮然とする、と聞くとその人がブスッとしてるイメージをする人が多い。
実はまったく違う意味で、
失望・落胆してどうすることもできないでいるさま。また、意外なことに驚きあきれているさま。(大辞林)
憮然として立ち去るとは、がっかりして立ち去ることだが、腹を立てて立ち去ると回答した人が7割を超えた。
役不足という言葉も誤用が多いという。
上司が、「課長ではきみには役不足だろうが、行ってくれ(転勤)」というような使い方が正しいのであって、課長だなんて私には役不足ですという謙遜の意味では使わない。
全然きれいです、違和感を覚える人が多い。
全然には否定が続くから、全然問題ない、全然うまくゆかない、などと遣うのであって、全然元気とは言わないと。
ところが否定形が続くようになったのは戦後で、昭和20年代の夏目漱石「坊ちゃん」には「生徒が全然悪い」という記述が出てくるそうだ。
言葉は変化して市民権を得ていくのだが、若い人の言葉遣いが気になる時点で、おっさんになった証拠なのだろう。