蚊取り線香の煙は夏の匂いだ。
今は液体タイプが主流だが、子どもの頃を思い出すと蚊取り線香だった。
いたずらしてやけどをした人も多いはず。
蚊取り線香の主成分は除虫菊ということは有名だ。
今の蚊取り線香にも除虫菊が使われている。
しかし、実は現在の蚊取り線香の除虫菊は香料のかわりなのだ。
除虫菊にはピレスロイドという殺虫成分が含まれているが、人工的に合成されたピレスロイドのアレスリンという成分が殺虫成分である。
火をつけることによって高温になりアレスリンが蒸発して殺虫成分が分散する。
じつは煙には殺虫成分はない。
元もと棒状の線香に練り合わせたものだったが、長持ちするためにヘビのとぐろから渦巻きを思いついたらしい。
蚊取り線香は電気を使わないため、今でもアフリカや東南アジアの熱帯地方でたくさん消費されている。
今でこそ刺されてもかゆいだけだが、明治時代頃までは日本脳炎や熱病の媒介とされていた。
匂いだけなら、お香と組み合わせることも可能なはず。
反対に、蚊取り線香の匂いだけして蚊に優しいものも作れるはず。
需要がないだろうけど。
蚊取り線香を最初に作った金鳥は商標で、正式名称は「大日本除虫菊株式会社」