この春のダイヤ改正で、JR東日本でまた不思議な名前の特急券がデビューした。
その名は「座席未指定券」で、文字通り座席が指定されていない指定席券。
これは常磐線特急「ひたち」「ときわ」、成田エキスプレスなどに導入された。
これらの列車は全車指定席で、今まで全車指定席の列車に乗るには、指定席特急券が必要で、発売時に座席が指定され、とりあえず買っておこう、は通用しなかった。
座席未指定券で座席を指定しなかった場合、空いている席に着席することができる。
座席の上にランプが着いていて、赤が空席、緑が指定済み(色が反対ではないか)、黄色がまもなく指定された区間に入る、が点灯している。
赤ランプの席に座ればいいのか、いや、乗車している間にこの先の駅で自分の席が指定されると緑ランプ、または黄色に変化するのだ。当然、指定席券を持った人が優先なので、席を移動しなくてはならず、座席定員制ではないので空席がないことも十分あり得る。
つまり、あくまで全車指定席なので、座席指定を受けない限り、自分が目的地まで座っていられる保証がないのが自由席と違うところなのだ。
この制度、ヨーロッパの鉄道によく似ている。ヨーロッパの鉄道の座席の上には、紙やLED表示で座席指定されている区間が表示されているので、それを見て座れば良い。
たとえば、東北新幹線で例えるなら、座席の上に「仙台-新青森」と表示されていれば、自分が仙台までに降りるのなら座っていてもかまわない、ということになる。
台湾の鉄道も全車指定席に近いが、座席指定を受けなくても空いている席に座って良く、指定を受けた人が来たら移動する、というしくみで自由席という車両はない。
優等列車(特急など)で自由席という指定をしない車両があるのは案外日本くらいかもしれない。