東急が商標登録している東横特急。文字通り東横線の特急のことだが、車内アナウンスで東横特急という言葉は出てくるがあまり浸透していない。
東横線に特急が設定されて、後に副都心線、西武線、東武線と直通運転が開始した。
東横線では特急だが、そのあとは各駅停車になるなど複雑化してしまった。
そこで、Fライナー特急という種別をつくり、これは東横線内は特急、副都心線内は急行、東武線内と西武線内は急行で運転されるので、これに乗れば最速というもの。
朝夕は通勤特急、日中はFライナー特急が中心になり、午前中遅めと夕方早めにただの特急が残った。
特急和光市行き。和光市は副都心線の終点なので、東武の車両といえども東武線内には入らない。
相互直通運転では各社の車両が同じ距離を乗り入れるようになっている。
東急の車両が東武線内を走った距離=東武の車両が東急線内を走った距離
ところが、東急東横線と東武東上線では距離が違い、東武の方が長いため、東急の車両が東武東上線を一往復すると東武の車両が東急東横線を一往復というわけにはいかない。
そこで、東急線内を走る距離を稼ぐために、和光市で折り返して再び東横線内を走る。
特急和光市行きの場合、この列車は東京メトロ副都心線内は各駅停車になる。だからFライナーは名乗らない。
ところが、昨年のダイヤ改正で、Fライナーが最速ではないケースが生まれた。
東武東上線内最速の快速急行、快速急行元町・中華街行きが設定された。
この列車は東武東上線内が快速急行、副都心線内は急行、東横線は特急で運転されるが、Fライナーは名乗らない。
土・休日の5本のみだが、最速がFライナーではなくなった。こういうところが東武らしい。
さらにこの特急和光市行きは、乗り入れ車両唯一のチョッパ制御の東武9000系がやってくることがある。
東武の車両も少ないが、9000系は少なく、チョッパ制御はさらに少ない。
東武に行けば珍しくも何ともない車両だが、東横線内では珍しい車両。
一日中同じ列車がやってくる京浜東北線と違って、車両も行く先もバラエティ豊かな東横線に乗るのはいつも楽しみ。