スーパーのおつとめ品コーナー、別名お乞食さんコーナーにあった。
スーパーの飲み食いできるところ(お酒はだめだが)で待っている間に撮影。
同じ松竹梅の上撰を見ると1800円くらいだったので、金箔に価値はないとしてもお得かもということで購入。
上撰というのは昔の一級酒のことで、酒蔵が独自に決めた規格なのであまりあてにならない。同じ酒造メーカーのこっちよりはこっちの方が優れていますというレベル。それではだめだということで、特定名称酒ができた。きちんと規格を決めて、本醸造、吟醸、大吟醸などができた。
じゃあこの上撰はなにかというと、本醸造以下の普通酒といわれるもの。わかりやすくいうと、瓶の半分以上を醸造用アルコールでうめたもの。ただ、悪いものまずいものでうめているわけではないので、日持ち良くなったり、辛口になる。アルコールでうめたほうが辛口になって、無知な人が辛口だと喜ぶ皮肉な構造。
ただ、毎日飲むような飲み飽きないお酒という位置づけではある。決して味でお正月の特別なお酒ではない。同じ松竹梅でも豪快は本醸造なので、好みはあるがあちらの方が日本酒の質では上。
同級生がお父さんに地酒を買っていっても、糖類や酸味料を添加した普通酒以下のお酒のほうがおいしいと言われたと言っていた。出汁をきちんととった味噌汁より、出汁の素をたっぷり入れた味噌汁のほうがおいしいというのと同じだ。うちの父も母が出汁をひいて作った味噌汁に出汁を利かせてとケチをつけていた。それは化学調味料の味に慣れているから。
このお酒は常温や燗したほうがよさそう。酒は燗することで辛くなる、だから昔の甘いお酒を燗して呑んだのかもしれない。