初日に乗った北京市地下鉄。
中国では地下鉄でも国鉄でも、乗る前に荷物をすべてX線検査する。
地下鉄はどの線に乗っても時間を問わず混雑して座れない。
車内で拍子木をたたくような変な音がしてきた。
何の音だと思ったら、物乞いのじじいさんが片手にカスタネットのような拍子木。
片手には札を握っている。
中国では1円程度から紙幣があるので珍しいことではない。
その汚いじじいは人の目の前でカチンと拍子木を叩くのだ。
見る限りみんな無視している。
ちなみに、地下鉄の運賃は北京は一律1元(13円くらい)
次の朝、また北京地下鉄に乗ると何やら歌謡曲のような音楽が聞こえてくる。
近づいてくると、片足が義足(金属製)の30歳くらいの男。
両足を伸ばした状態で座って、手で前に進みながらやってくる。
朝のラッシュ時に、人をかき分けて進んで行く。
こちらも誰もめぐんでいない。
さすがに上海はいないな、と思ったら何やらチャルメラのような音。
ピロリ〜ピロリ〜またやってきたらしい。
30位の小太りの男と、60歳を過ぎただろう母らしき人。
音の主はソプラノリコーダーで、高い音で吹いている。
母がプラコップを拝みながら人の前に。
意外にも、上海だからか(豊か)親子だからか、一車両で2〜3人小銭をめぐんでいた。
西安駅で3時間ぐらい待って、やっと乗車できて一安心。
チャラン、チャラン、なにか音が…いやこんなところにいるはずは…
廊下を見ると、手錠、両足に重そうな鎖をつけた男。
3人の公安の男たちに囲まれて、隣の個室へ。
トイレに行くのか、廊下を引きずる鎖の音。
個室をちらっと覗くと、手錠をした男がタバコを吸っていた。
となりには中国公安のデカさん。
安全なような、怖いような。
地下鉄の入り口や街角にも物乞いがいた。
やはり30年遅れてる。