昔と違って旅行会社の存在意義が薄れてきている。それは消費者だけではなく、取引をするホテルや旅館、交通機関などもなるべく自社で手配しようとしている。
そうなると、旅行会社だからといっても何も特別扱いされない。強いて言えば、宿泊施設は送客手数料といって10~13%くらいの手数料が支払われることがある。
仮に一泊11000円の部屋があったとして、旅行会社が予約をしてお客さんが11000円を支払って宿泊すると1000円が支払われるとする。実際には初めから引いた額の10000円を宿泊施設に支払うこともある。ところが、その宿泊施設のネット予約でははじめから10000円と書いてあれば、旅行会社に頼むより安いじゃないかということになる。宿が受け取る額はどちらも10000円。
青森ねぶた祭のときの青森市内のホテル、徳島阿波踊りのときの徳島市内のホテルは予約を取るのが至難の業。それは中小旅行会社も同じで、電話一本で取れるわけがない。大手は年間を通じて送客しているので特別な時にも特別な割当があることがある。列車やバスも同じ。旅行会社枠はあるにはあるが、半年前くらいに申し込んで結構な数を買い取らなければならない。売り切らなければ来年は売ってもらえないだろう。私たちのような小さな旅行会社はそれなりに努力をして部屋や席を確保しているのであって、楽して取ったものではないのです。
高速バスも旅行会社から取れることはほぼないので、一般の人たちと同じ発売日の朝にパソコンをいかに早く打つかで取る。いわばその手間賃というか、プレミアム価格というか。
旅行会社を始めて、なんだ特別扱いされないんだなという感想が初めの頃に思ったこと。