ソメイヨシノ

東京や横浜で桜が見頃だが、桜といえばソメイヨシノが有名。
江戸末期から明治初期に現在の東京駒込あたりにあった染井村の植木職人などがどこかで見つけてきた桜に吉野桜と名付けて売り出したことがはじめといわれている。
一時は吉野桜ということで浸透したが、奈良県吉野の桜はヤマザクラであり、これと混同することを危惧して園芸業界で染井吉野と名付けた。
これを接ぎ木などで移植されているので、全国のソメイヨシノはほぼすべてクローンで、遺伝子レベルがまったく同じ。
クローンとは遺伝子がまったく同じ個体同士を現す用語で、植物ではまったく珍しくなく、人間でも一卵性双生児はクローンである。おすぎはピーコのクローンである、ピーコはおすぎのクローンであるというように使う。
そんな園芸品種の宿命なのか、ソメイヨシノにはだいたい50年という寿命がある。故郷の東京愛宕山の桜の木がある年ばっさり切られたことがあった。子どもの頃からあった桜の木なので、その頃ちょうど50年くらい経って、木の寿命が来たので切ったのだろう。
ヤマザクラなど野生の桜は樹齢何百年という木も珍しくない。桜の花が散るのははかないが、ソメイヨシノは木の一生自体もはかない。

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